スマホ時代のココロ術

イベントで「映え」を優先しちゃう? 体験を心から味わうココロ術

Tags: SNS疲れ, 承認欲求, デジタルウェルビーイング, 心の整え方, 体験

イベントで「撮る」に夢中になってない? 体験を心から味わうココロ術

友達と遊園地に行った時、楽しみにしていたライブに行った時、旅行に行った時。気づいたら、スマホ越しに景色を見たり、友達との写真を撮ることに夢中になっていたりしませんか。後で見返せる記録として撮っておきたい気持ちもあれば、少しでも「映える」写真を撮ってSNSに投稿したい気持ちもあるかもしれません。

でも、写真や動画を撮ることに必死になっていると、目の前で起きていることや、その場の雰囲気、友達との会話など、せっかくの体験そのものに集中できていないように感じて、少しモヤモヤしてしまうことはないでしょうか。どうして私たちは、その瞬間の「体験」よりも「記録」や「共有」を優先してしまうことがあるのでしょう。そして、どうすればもっと心から体験を楽しむことができるのでしょうか。

なぜ「撮らなきゃ」と思ってしまうの?

イベントや特別な場所に行った時に、「撮らなきゃ」と思ってしまう背景には、いくつかの理由が考えられます。

まず一つは、デジタルな承認欲求です。「こんなに楽しい場所にいるよ」「みんなと仲良くやっているよ」ということを誰かに見てもらいたい、すごいね、良いねと言ってもらいたい、という気持ちです。SNSに投稿することで、自分の体験が「いいね」やコメントという形で評価されることを期待してしまいます。

次に、Fomo(Fear of Missing Out)、つまり「取り残されることへの恐れ」も関係しているかもしれません。他の人が楽しそうな様子を次々とSNSに投稿しているのを見て、自分もちゃんと楽しんでいることを示さないと、という無意識のプレッシャーを感じてしまうことがあります。

また、貴重な瞬間を「記録として残しておきたい」という純粋な気持ちもあります。ただ、その気持ちが強すぎると、「完璧な一枚」「最高の動画」を撮ることに固執してしまい、それが目的となってしまうことがあります。

そして、周りの友達や、フォローしている人の「映え」を意識した投稿を見ているうちに、「ああいう風に撮るのが当たり前なのかな」「自分もちゃんと撮らないと」というように、無意識のうちに周囲の基準に合わせてしまうこともあります。

こうした様々な気持ちが絡み合って、せっかくの体験の最中に「撮る」という行為に意識が向いてしまうことがあるのです。

体験を心から味わうことの大切さ

写真や動画で記録を残すことは、後で見返した時に楽しい思い出として振り返ることができる素敵なことです。しかし、その瞬間の体験そのものを五感を使って味わうことには、記録することとはまた違った大切な価値があります。

例えば、好きなアーティストのライブなら、音や光、会場の熱気、一緒に盛り上がる周りの人の空気感を全身で感じること。遊園地なら、乗り物のスリルや風、友達の笑い声を聞くこと。旅行先なら、普段嗅ぎ慣れない空気の匂いや、食べたものの味、肌で感じる現地の温度などをじっくり味わうこと。

そうやって、その瞬間に完全に集中することで、体験はより深く心に刻まれます。後から写真を見返した時も、「この時はこんな音だったな」「友達とこんな話をして笑ったな」と、より鮮明な記憶として蘇ってくるはずです。何より、心の底から「楽しい!」と感じられる瞬間が増えるのではないでしょうか。

心から体験を楽しむためのヒント

では、どうすれば「撮らなきゃ」という気持ちを手放し、もっと心から体験を楽しむことができるようになるのでしょう。いくつか試してみてはいかがでしょうか。

完璧な「映え」より、心の満足度を大切に

スマホは、私たちの生活を豊かにしてくれる素晴らしいツールです。写真や動画を通じて、大切な思い出を記録したり、感動を誰かと共有したりすることも、大きな喜びの一つです。

ただ、時に「記録」や「共有」の意識が強くなりすぎて、目の前の「体験」そのものを見失ってしまうことがあるかもしれません。完璧な「映え」を追い求めるよりも、その瞬間の自分の心の動き、五感で感じること、そして一緒にいる人との繋がりを大切にすることで、体験はもっと色鮮やかで、心満たされるものになるはずです。

デジタルな世界もリアルな世界も、自分自身の心の声に耳を傾けながら、あなたにとって一番心地よい楽しみ方を見つけてくださいね。