「ずっとスマホ見てる…」疲れから抜け出す、日常の小さなココロ術
なんとなく、ずっとスマホを見ている時間はありませんか?
気づいたら数十分、あるいは1時間以上スマホを見ていた。SNSのタイムラインを遡ったり、おすすめ動画を次々と見たり、特に目的もなくアプリを開いたり。そんな経験、きっと多くの方にあるのではないでしょうか。
スマホは便利なツールですが、なんとなく見続けてしまうことで、目に疲れを感じたり、肩が凝ったりするだけでなく、なんだか心がそわそわしたり、他のことに集中できなかったり、時間が過ぎたことに少し後悔したりすることもあるかもしれません。まるで、心がデジタルの中に「漬けっぱなし」になっているような状態です。
でも、それは決して特別なことではありません。私たちの周りには常に新しい情報があふれていて、スマホを開けば簡単にそれらにアクセスできます。通知が来るたびに気になってしまうのも、人間の自然な反応の一つと言えるかもしれません。
なぜ「なんとなく」見続けてしまうのでしょう?
スマホを「なんとなく」見続けてしまうのは、いくつか理由が考えられます。
- 習慣になっている: 手持ち無沙汰な時、移動中、寝る前など、特定の状況で無意識にスマホを開くのが習慣になっている。
- 通知に反応してしまう: 新しいメッセージや「いいね」、お知らせの通知が来ると、反射的に確認したくなる。
- 情報が次々流れてくる: SNSや動画サイトは、スクロールするたびに新しい情報が表示され、見終わることがありません。
- 暇つぶし: ちょっとした隙間時間を埋めるのに、最も手軽な方法だから。
こうした理由から、私たちは意識しないまま、どんどんデジタルの中に時間と心を使ってしまうことがあります。そして、それが積み重なると、心が少しずつ疲れてきてしまうのです。
「デジタル漬け」から抜け出す、小さなココロ術
「スマホを見る時間を減らさなきゃ!」と厳しく自分に言い聞かせたり、「デジタルデトックスだ!」と完全にスマホから離れたりするのは、なかなか難しいかもしれません。特に、友達との連絡や学校の調べものなど、スマホが生活に欠かせない皆さんにとってはなおさらです。
ここでご紹介したいのは、「スマホ断ち」のような大きな決断ではなく、日々の生活の中で無理なく取り入れられる、小さな工夫です。まるで、毎日の歯磨きや軽いストレッチのように、少しだけ意識して取り入れることで、デジタル漬けの状態から少しずつ心を解放していくイメージです。
1. 通知を「心の休憩時間」にする
全ての通知にすぐに対応する必要はありません。重要な連絡以外は、通知が来てもすぐに開かない時間を作ってみましょう。例えば、「通知は1時間に1回だけチェックする」「このアプリの通知はオフにする」など、自分なりのルールを決めることができます。通知の振動や音から少し距離を置くだけで、心が急かされる感じが減ります。
2. スマホの「置き場所」を考えてみる
いつも手の届く場所に置いていると、つい触ってしまいます。食事中はダイニングテーブルに置かない、勉強中は別の部屋に置く、寝る前は枕元から離れた場所に置くなど、物理的に少し距離を置くことで、無意識に触る回数を減らすことができます。これは、スマホとの間に意図的な「間(ま)」を作る練習になります。
3. 「〇〇するためにスマホを開く」を意識する
目的もなくスマホを開くのを減らすために、「今、何を見たいんだっけ?」「誰に連絡したいんだっけ?」と自分に問いかけてみましょう。目的を意識することで、関係ない情報に流される時間を減らしやすくなります。「〇〇を調べたい」という目的を達成したら、一度スマホを閉じる、という流れを意識してみると良いかもしれません。
4. 別の「楽しい」を意図的に作る
「なんとなくスマホを見る」のは、他にやることがない、あるいは手軽な「楽しい」だからかもしれません。意識的に別の「楽しい」時間を作ってみましょう。友達と直接話す、本を読む、音楽を聴く、軽い運動をする、絵を描く、散歩するなど、スマホなしで楽しめることを見つけて、その時間を優先してみるのです。これは、デジタル以外の世界に心を向ける練習になります。
5. 見る時間を「決める」のではなく「区切る」
「スマホは1日〇時間まで」と決めるのは大変でも、「この休憩時間の間だけ見よう」「この電車に乗っている間だけ」というように、見る時間を区切ることから始めてみましょう。タイマーを使ってみるのも有効です。「この時間が終わったら、一旦スマホを置く」という習慣をつけることで、ダラダラと見続けるのを防ぎやすくなります。
小さな一歩が、心の軽さに繋がる
これらの工夫は、どれも小さなことばかりです。劇的にスマホ時間が減るわけではないかもしれません。でも、これらの小さな積み重ねが、無意識にデジタルに費やしていた時間や心を、少しずつ自分自身や現実の生活に取り戻すことに繋がります。
ずっとスマホを見ている状態から少し離れることで、目の前のことに集中できたり、周りの景色に気づけたり、自分の心の中の静かな声に耳を傾けられたりする時間が増える可能性があります。
完璧を目指す必要はありません。「今日は通知にすぐ反応しない時間を1時間作ってみようかな」「寝る前にスマホを別の部屋に置いてみようかな」といった、できることから、無理なく試してみてください。
デジタルは便利なツールです。でも、それに振り回されず、自分のペースで、心地よく付き合っていくための小さなココロ術として、これらの工夫をあなたの日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。少しずつ心が軽くなるのを感じられるかもしれません。