スマホ時代のココロ術

通知がないとそわそわ… デジタルな連絡に振り回されない方法

Tags: 通知, 不安, スマホ, SNS, デジタルウェルビーイング, 心の整え方, 承認欲求

スマホを手にするたびに、新しい通知が来ていないかつい確認してしまう。通知音が鳴ると、すぐに画面を見てしまう。友達からの連絡やSNSの反応が気になって、通知がないとどこか落ち着かない気持ちになることがあるかもしれません。

通知が気になるのは自然なこと?

なぜ私たちは、スマホの通知にこれほど惹きつけられるのでしょうか。一つには、「誰かからの関心」がそこにあるからです。メッセージや「いいね」、コメントといった通知は、「あなたは他の誰かと繋がっているよ」「あなたの発信に反応があったよ」というサインのように感じられます。これは、私たちがもともと持っている「つながっていたい」「認められたい」という気持ち、つまり承認欲求や、集団から置いていかれたくないというFOMO(Fear Of Missing Out - 見逃すことへの恐れ)と結びついています。

また、通知が来たときに得られる「嬉しい」「気になる」といった感覚は、脳の中で快感をもたらす物質が分泌されることと関係していると言われています。これは、ある行動の後に良い結果が得られると、その行動を繰り返したくなる「条件付け」のような側面も持っています。つまり、通知を確認するたびに小さな達成感や刺激があり、それがクセになりやすいのです。

通知に振り回されるとどうなるの?

通知が気になること自体は、ある意味で自然な心の動きかもしれません。しかし、通知に常に気を取られてしまうと、様々な影響が出てくることがあります。

通知と上手に付き合うためのココロ術

通知に振り回されず、自分のペースで心穏やかに過ごすためには、いくつかの方法があります。これは「スマホをやめるべき」という話ではなく、通知との心地よい距離感を見つけるためのヒントです。

  1. 通知設定を見直してみる

    • 本当に必要なアプリからの通知だけをオンにしてみてください。ゲームやショッピングアプリなど、今すぐでなくても良い通知はオフにしたり、通知方法をバナー表示だけにしたりするのも良いでしょう。
    • 特定の時間帯(例:寝る前、勉強中)は通知を一時的にオフにする「おやすみモード」や「集中モード」などを活用するのも効果的です。
  2. スマホから離れる時間を作る

    • 意識的にスマホから離れる時間を作ってみましょう。食事中はテーブルに置かない、お風呂には持ち込まない、寝る1時間前からは見ない、など、小さなルールを決めてみるのも良いかもしれません。
    • 短時間でもデジタルな世界から離れることで、心と体をリフレッシュさせることができます。
  3. 「今ここ」に意識を向けてみる

    • スマホが手元にない時や、通知が来ない時にそわそわする気持ちに気づいてみましょう。そして、「今、自分は何を感じているか」「目の前で何が起きているか」に意識を向けてみてください。
    • 友達と話す、景色を見る、音楽を聴く、目の前の作業に集中するなど、「今ここ」に意識を向ける練習は、デジタルな刺激から一時的に離れ、心を落ち着かせるのに役立ちます。
  4. 「返信は急がなくても大丈夫」と心の中で唱える

    • 通知が来たらすぐに返信しなきゃ、と思ってしまう必要はありません。相手もあなたにすぐに返信を求めているとは限りませんし、自分の都合の良いときに返信しても失礼にあたらない場合がほとんどです。
    • すぐに返信できない状況であれば、「後で見ます」「〇時頃に返信します」といった短いメッセージを送ることもできます。
  5. オフラインの活動を大切にする

    • スマホや通知から離れて夢中になれることを見つけるのは、とても素晴らしいことです。スポーツをする、音楽を聴く、本を読む、絵を描く、散歩するなど、自分が心から楽しいと思えるオフラインの活動を大切にしましょう。
    • これらの活動は、あなたの心を豊かにし、デジタルな世界とは別の場所で心の安定感を与えてくれます。

自分の心地よい距離感を見つけよう

通知に振り回されるのではなく、自分が通知をコントロールする、という意識を持つことが大切です。最初から完璧にできなくても大丈夫です。一つずつ、自分ができそうなことから試してみてください。

デジタルな連絡は、私たちを友達や社会とつなげてくれる便利なツールです。その便利さを楽しみながらも、通知に心をかき乱されることなく、自分の大切な時間や心の平穏を守るための工夫をしてみる価値は十分にあります。

通知との上手な付き合い方を見つけることは、自分自身の心との向き合い方を見つけることでもあります。あなたの心地よいペースを大切に、デジタルライフを楽しんでください。