スマホ時代のココロ術

SNSの評価に振り回されそうになったら 思い出してほしい大切なこと

Tags: SNS, 承認欲求, 自己肯定感, デジタルウェルビーイング, 心の健康

SNSの「いいね」やコメント、気になりますよね

スマホを開けば、友達や知らない人の投稿が次々と流れてきます。楽しそうな写真、面白い動画、共感を呼ぶつぶやき。そんな中で、自分の投稿にどれくらいの「いいね」がつくか、どんなコメントがもらえるか、通知一つ一つに心が揺れてしまうことはありませんか。

通知が多ければ嬉しいけれど、少なかったり、思ったような反応がなかったりすると、ちょっぴり落ち込んでしまったり。「他の子はたくさん反応もらってるのに、私(僕)の投稿はダメなのかな…」なんて、他の誰かのデジタルな評価が、まるで自分の価値そのもののように感じてしまうこともあるかもしれません。

なぜ他人の評価がこんなに気になるのでしょう?

人間には、「誰かに認められたい」「必要とされたい」という自然な気持ちがあります。これを「承認欲求」と呼びますが、これは決して悪いことではありません。私たちは、他人との関わりの中で自分の存在を確認し、成長していく生き物だからです。

特にSNSの世界では、この承認欲求が「いいね」の数やフォロワーの数、コメントの内容など、目に見える形で分かりやすく示されます。誰かからのポジティブな反応は、脳に心地よい刺激を与え、「もっと欲しい」と感じさせてしまうことがあります。これは、私たちの脳が持っている仕組みの一つとも言えます。

デジタルな世界は、良くも悪くも他人の反応がすぐに分かります。だからこそ、そこに自分の価値を重ね合わせやすくなってしまうのです。しかし、ここで少し立ち止まって考えてみてほしい大切なことがあります。

デジタルな評価は、あなたの価値そのものではありません

SNSでの「いいね」やコメントは、あくまで特定の投稿に対する反応です。それは、あなたの人間性すべてや、あなたがどれだけ素晴らしい人であるかを示すものではありません。

つまり、SNSでの評価は、あなたの表面的な一部分への反応であり、あなたの存在そのものの価値とは全く別のものなのです。あなたの価値は、数字や他人の一言では決して測れません。

自分の心の価値を、画面の外で見つけるヒント

デジタルな評価に心が振り回されそうになった時、どうすれば自分自身の心の安定を保てるでしょうか。いくつかヒントをご紹介します。

  1. 「好きなこと」や「楽しい時間」を大切にする SNSでたくさんの「いいね」をもらうためではなく、自分が心から「面白いな」「楽しいな」「やってて落ち着くな」と感じる時間を増やしてみてください。絵を描く、音楽を聴く、本を読む、散歩する、友達と直接話すなど、デジタルから少し離れて、自分の感覚を大切にする時間を持つことで、心の満足感が得られます。
  2. 小さな達成感を自分で認める テスト勉強を頑張った、部屋をきれいに片付けた、新しい料理に挑戦した… SNSに投稿するほどではないかもしれないけれど、自分で目標を決めて達成できた小さな成功を、自分で「よくやったね!」と認めてあげましょう。他人の評価ではなく、自分自身が自分の頑張りを知っていること、それが自信につながります。
  3. 親しい人とのリアルな繋がりを育む SNSでの薄い繋がりよりも、家族や本当に心を許せる友達との深い繋がりを大切にしてみてください。顔を見て話したり、一緒に笑ったりする中で、「自分はこの場所にいていいんだ」「自分は大切にされているんだ」という安心感を得られます。これは、デジタルな評価では得られない、あたたかい心の栄養になります。
  4. SNSとの向き合い方を見直してみる 通知をオフにしてみる、決まった時間だけSNSを見るようにするなど、少し使い方を変えてみるのも良い方法です。物理的に距離を取ることで、意識がSNSから離れ、自分の内面に目を向けやすくなります。フォローする相手を、心が穏やかになれる人や、見ていて楽しい気分になれる人に絞るのも一つの手です。

あなたの価値は、いつもあなたの心の中にあります

SNSは、世界とつながる便利なツールです。上手に使えば、たくさんの情報や楽しみを得られます。ですが、そこに映し出される評価が、あなたのすべてではありません。

あなたの優しさ、頑張り、個性、好きなもの、面白いと感じる心… そういった、画面には映りにくいけれど、あなただけが持っている素晴らしいものがたくさんあります。あなたの価値は、他の誰かが決めるものではなく、あなた自身が感じ、見つけていくものです。

もし今、SNSの評価に心が少し疲れてしまっているなら、思い出してください。あなたは、数字やマークの数では測れない、大切な価値をすでに持っています。自分の心の声に耳を傾けて、あなたらしい心のあり方を大切にしてくださいね。