SNSで自分の「好き」を出すの、ドキドキする? 恐れを乗り越えるココロ術
SNSで発信したいけど、なんだか怖い? そのドキドキの正体
SNSを見ていると、色々な人が自分の好きなことや考えていることを発信していますね。「私も何か投稿したいな」「これについて話してみたいな」そう思うことはありませんか。でも同時に、「こんなこと投稿したらどう思われるんだろう」「誰も反応してくれなかったらどうしよう」そんな不安やドキドキを感じる人もいるかもしれません。
頑張って書いた投稿にいいねやコメントがつかないと、まるで自分の価値が否定されたように感じてしまったり。自分の好きなものが友達の間で流行っているものと違っていて、投稿するのをためらってしまったり。せっかくの「好き」なのに、発信することにブレーキがかかってしまうのは、少し寂しいことかもしれません。
この「発信することへのドキドキ」や「共感されなかった時の怖さ」は、一体どこから来るのでしょうか。そして、どうすればもっと気軽に、自分らしく発信できるようになるのでしょうか。
なぜ発信が怖くなる? デジタル承認欲求と「評価」のプレッシャー
私たちは誰でも、「自分の存在を誰かに認めてほしい」「共感してほしい」という気持ちを持っています。これは自然な心の動きで、「承認欲求」と呼ばれるものです。SNSは、この承認欲求を満たしやすい場所でもあります。投稿にたくさんのいいねがついたり、共感するコメントが届いたりすると、嬉しくなりますよね。
でも、SNSは「評価」が数字や反応として目に見えやすい場所でもあります。だからこそ、「どうすればもっと反応がもらえるかな」「この投稿、どれくらい評価されるかな」と、他人の目を意識しやすくなってしまいます。そして、その評価が低いと、「自分の投稿は面白くないのかも」「自分の好きなものは受け入れられないのかも」と、自分自身を否定的に捉えてしまうことがあるのです。
特に、自分の内面に近い「好き」なことや、少し踏み込んだ意見を発信する時には、より「本当の自分」が評価されるように感じてしまい、怖さが大きくなることがあります。周りの友達が「いいね!」がたくさんついている投稿をしているのを見ると、それに比べて自分は…と、さらに不安を感じてしまうこともあるかもしれません。
「共感」はゴールじゃない、自分にとっての価値を大切に
発信することの目的は、必ずしも「たくさんの人に共感されること」だけではありません。もちろん、共感されると嬉しいですし、それはSNSの大きな魅力の一つです。でも、「共感されなかったら失敗」と考えてしまうと、発信することがどんどん怖くなってしまいます。
ここで少し、考え方を変えてみましょう。
- 反応の数はすべてじゃない: SNSのいいねやコメントの数は、その投稿の価値のすべてを示すものではありません。たまたまその時見ていなかった人、心の中で「いいな」と思ったけど反応しなかった人、色々な人がいます。それに、投稿を見る人の興味や気分、タイミングによっても反応は大きく変わります。数字は、あなたの投稿やあなたの価値を正確に測るものではないのです。
- 「好き」を共有すること自体に価値がある: あなたが「これ、好きだな!」と感じたことを発信する。そのこと自体が、あなたの「好き」を形にする素敵な行動です。反応がたくさんなくても、その投稿は確かに存在し、あなたの「好き」の世界を広げています。
- 一部の人に深く届けば十分: 万人受けする投稿よりも、たとえ少人数でも「私もそれ好き!」「そういう考え方もあるんだ!」と深く共感してくれる人がいる方が、嬉しいと感じることもあります。SNSは、ニッチな「好き」で繋がれる場所でもあります。
もっと気軽に「好き」を発信するためのヒント
では、どうすれば「共感されなかったらどうしよう」という怖さを乗り越えて、もっと気軽に発信できるようになるのでしょうか。いくつか試せるヒントがあります。
- 「誰に届けたいか」を考えてみる: 全員にウケる投稿を目指すのではなく、「同じものが好きな友達に届けたいな」「これについて話せる人を見つけたいな」など、具体的な相手やコミュニティを想像してみましょう。ターゲットを絞ることで、発信する内容が明確になり、不特定多数の目を気にしすぎなくて済むようになります。
- まずは「小さく」発信してみる: 全体の公開範囲で投稿するのが怖ければ、親しい友達だけに公開したり、特定の趣味のクローズドなグループ内で発信したりすることから始めてみてはいかがでしょうか。安心できる場所で練習することで、少しずつ自信をつけていくことができます。
- 発信そのものを楽しむ: 投稿を作る過程や、自分の「好き」について整理したり言葉にしたりする作業自体を楽しんでみましょう。写真を選ぶ時間、文章を考える時間。誰かの反応を待つだけでなく、その時間を大切にすることで、発信の目的が「評価を得る」ことから「自分の世界を表現する」ことに変わっていきます。
- 「共感されなくてもOK」を心の中で唱える: 投稿ボタンを押す前に、「これは私の好きなこと。誰かに響かなくても、私が満足ならOK!」と、自分に許可を出してみましょう。完璧主義を手放し、「まあ、いっか!」くらいの気持ちで向き合うのがポイントです。
- 反応がなくても落ち込みすぎない習慣をつける: 投稿した後の通知をすぐに気にしすぎないようにしたり、反応が少ないと感じても他の楽しいことに意識を向けたりするなど、少しずつ心の切り替え方を練習してみましょう。あなたの価値は、SNSの反応数で決まるものではありません。
あなたの「好き」は、あなたの心を彩る大切な色
SNSでの発信は、あなたの世界を広げ、誰かと思いがけない繋がりを生む素晴らしい機会です。自分の好きなことや感じたことを表現するのは、あなたの心を彩る大切な行動です。「どう思われるか」という不安から、その色を閉じ込めてしまうのはもったいないことです。
共感や評価はもちろん嬉しいものですが、それに振り回されすぎず、自分の「好き」を大切に、自分のペースで発信を楽しんでみてください。あなたの何気ない「好き」が、どこかの誰かにとって、新しい世界への扉を開く鍵になることもあるかもしれません。
完璧な発信を目指す必要はありません。まずは、あなたが心から「これ、好きだな」と思えることを、あなたらしい言葉や形で表現してみる。その小さな一歩が、デジタルな世界で自分らしく心を輝かせるための、大切なココロ術になるはずです。