SNSで「これ言って大丈夫かな?」って不安になったら? 自分の言葉と心を大切にするココロ術
SNSで何か発信する時、心臓がドキッとしませんか?
友達とのメッセージ交換や、ストーリーへの反応は気楽にできても、いざ自分の考えや意見を投稿しようとすると、指が止まってしまったり、「これ言って大丈夫かな…」と不安になったりすることはありますか?
いいねがたくさんついたり、共感してもらえたりする一方で、もしかしたら批判されるかもしれない、誰かを傷つけてしまうかもしれない、誤解されてしまうかもしれない。そんな想像をすると、どうしても慎重になったり、怖くなったりしてしまいますよね。
「ちゃんとしたこと言わなきゃ」「間違ったこと言ったらどうしよう」と考えて、結局何も発信できなかったり、無難な投稿ばかりになってしまったり。今回は、そんなSNSでの「発信不安」と上手に付き合うための心の持ち方を一緒に探してみましょう。
なぜ、私たちは「言って大丈夫かな?」と不安になるのでしょうか?
SNSで自分の気持ちや考えを発信する時に不安を感じてしまうのは、決してあなただけではありません。そこにはいくつかの理由が考えられます。
一つは、他者からの反応への期待と恐れです。投稿に対してポジティブな反応(いいねやコメント)をもらえれば嬉しいですが、ネガティブな反応(批判的なコメント、スルー)があるかもしれないと思うと、怖さを感じます。これは、人間が持つ「認められたい」「嫌われたくない」という自然な気持ちと深く関わっています。
また、SNSでは不特定多数の人が見ているため、自分の発言がどのように受け取られるか予測しづらいという難しさがあります。リアルな友達との会話であれば、相手の表情や声のトーンで伝わり方がわかりますが、SNSでは文字だけなので、意図が正確に伝わらなかったり、思わぬ形で広まってしまったりする可能性もゼロではありません。
さらに、過去に自分や周りの人がSNSでの発言でトラブルになったのを見た経験があると、「自分もああなったらどうしよう」と不安が募ることもあります。
これらの理由から、「言って大丈夫かな?」という不安は、いわば自分や自分の発言を守ろうとする心の働きだと言えるかもしれません。
不安を感じながらも、自分の言葉を大切にするためのココロ術
不安を感じるのは自然なことですが、その不安にばかり気を取られて、言いたいことや伝えたいことを何も発信できなくなってしまうのは、少しもったいないですよね。ここでは、不安と上手に付き合いながら、自分の言葉と心を大切にするためのいくつかの考え方やヒントをご紹介します。
ヒント1:何のために発信したいのか、ちょっと立ち止まって考えてみる
そもそも、あなたはなぜそのことについて発信したいと思ったのでしょうか? 誰かに伝えたい、自分の考えを整理したい、同じように思っている人を見つけたい… きっと、あなたの中に何かしらの目的や「こうしたいな」という気持ちがあるはずです。
「みんなに褒められたい」「バズりたい」といった気持ちがゼロではないとしても、それだけではない、あなた自身の「なぜ?」に少しだけ意識を向けてみましょう。目的がはっきりすると、他者の反応に振り回されにくくなることがあります。自分の内側からくる「発信したい」という気持ちを大切にしてみましょう。
ヒント2:「完璧な正しさ」や「みんなの賛成」を求めすぎない
SNSで何かを発信する時、「絶対に正しいことを言わなきゃ」「みんなが納得するような意見じゃなきゃ」と考えすぎてしまうと、ハードルがどんどん上がってしまいます。
でも、完璧に正しいことや、全ての人に賛成される言葉なんて、現実にはほとんどありません。あなたが感じたこと、考えたことは、現時点でのあなたの正直な気持ちや意見です。それをそのまま表現することに価値があります。
もちろん、誰かを傷つけるような意図のある発言は避けるべきですが、「間違ってたらどうしよう」という恐れから自分の素直な気持ちを抑え込む必要はありません。「これは私の考えだけどね」「今はこう感じているんだ」というように、自分の意見であることを明確にするだけでも、心が少し軽くなることがあります。
ヒント3:言葉を選ぶことは大切。でも、それは自分を消すことではない
発信する前に「これで誤解されないかな?」「誰かを不快にさせないかな?」と考えることは、コミュニケーションにおいてとても大切な配慮です。でも、それはあなたの個性や考えを消してしまうこととは違います。
同じことを伝えるにも、様々な言葉遣いや表現方法があります。どう伝えれば自分の意図が伝わりやすいか、より丁寧になるかを意識することは、自分の言葉をより丁寧に磨くことでもあります。不安の裏返しとして、言葉を丁寧に選ぶ習慣は、あなたのコミュニケーション能力を高めることにも繋がるかもしれません。
ヒント4:ネガティブな反応が来たら? 全てを真に受けない練習
残念ながら、どんなに配慮して発信しても、誤解されたり、心ない批判を受けたりする可能性はゼロではありません。もし、そんなネガティブな反応が来てしまったら… 心がざわついたり、落ち込んだりするのは当然です。
でも、そこで全てを自分自身の否定だと受け取らない練習をしてみましょう。その反応は、相手の個人的な意見や感情かもしれませんし、あなたの投稿の一部だけを見て判断した結果かもしれません。すぐに真に受けず、一度距離を置いてみることも大切です。
信頼できる友達や家族に話を聞いてもらったり、しばらくSNSから離れてみたりするのも良い方法です。全ての意見に誠実に対応する必要はありません。自分自身の心の健康を守ることを最優先に考えましょう。
ヒント5:「言わない自由」も忘れないで
SNSを見ていると、「みんな、色々なことについて自分の意見を発信しているな」「自分も何か言わなきゃ置いていかれるのかな」と感じてしまうことがあるかもしれません。
でも、発信することだけがSNSの使い方ではありません。「見るだけ」だって、スタンプを送るだけだって、十分な関わり方です。そして、自分の意見や気持ちを無理に発信しないという選択肢も、常にあなたの手の中にあります。
言いたいことがあっても、「今は言わないでおこう」と決めることも、自分自身の心の声に耳を傾けた結果です。発信しないからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。自分のペースで、心地よい関わり方を見つけることが一番大切です。
不安は悪いものではない。自分を大切にするサインです
SNSで発信する時に感じる不安は、「失敗したくない」「周りと良い関係でいたい」という、健全な気持ちの表れでもあります。その不安を無視するのではなく、「あ、自分は今、発信することに少し立ち止まっているんだな」と、自分の心の声に気づくサインとして捉えてみましょう。
完璧な発信を目指す必要はありません。あなたの言葉で、あなたの気持ちや考えを、あなたの心地よい方法で表現していくことが大切です。少しずつ、自分の「大丈夫」な範囲で、あなたの言葉を発信してみてください。そして、もし疲れたら、いつでも休んで大丈夫です。あなたの言葉と心が、いつもあなたにとって優しいものでありますように。