SNSで見かける「楽しそう」のカラクリ? その見せ方に心をざわつかせないココロ術
SNSを開くと、友達や他の人が「楽しそう」に過ごしている投稿がたくさん流れてきますよね。おいしいものを食べていたり、キラキラした場所に出かけていたり、友達と笑い合っていたり。そんな投稿を見ていると、「それに比べて自分は…」と、なんだか心がざわついたり、落ち込んだりしてしまうことがあるかもしれません。
なぜ、私たちはSNSの「楽しそう」な投稿に心を揺さぶられてしまうのでしょうか。そして、それに振り回されずに、自分の心を穏やかに保つにはどうしたら良いのでしょうか。「スマホ時代のココロ術」として、そのヒントをお伝えしたいと思います。
なぜ「楽しそう」投稿に心がざわつくのか? その「見せ方」のカラクリ
SNSの投稿は、その人の生活のすべてを表しているわけではありません。実は、「楽しそう」に見せるためのさまざまな工夫や「見せ方」のカラクリがあるのです。
例えば、
- 「生活のベストシーン」を切り取っている: 一日のうちのほんの一瞬、楽しかった出来事だけを写真や動画にしています。その前後の大変だったことや、つまらなかった時間は映っていません。
- 見た目を「良く見せる」工夫: 写真の角度を工夫したり、フィルターをかけたり、明るさや色合いを調整したりすることで、実際よりも魅力的に見せることがあります。
- 言葉やハッシュタグでの演出: 楽しかった気持ちを強調する言葉を選んだり、流行りのハッシュタグをつけたりすることで、投稿全体の印象をさらに「楽しそう」に演出しています。
- ストーリーやリール(Shorts)の特性: 短い動画にBGMやテロップ、エフェクトなどをつけることで、感情や雰囲気がより強く伝わるように作られています。これは、見た人の感情を揺さぶるのにとても効果的です。
投稿している本人も、無意識のうちに「良い自分を見せたい」「共感してほしい」という気持ちから、自然と「楽しそう」な部分を選んで発信していることが多いものです。それは決して悪いことではなく、多くの人が持っている自然な気持ちだったりします。
ですが、これを見る側は、その「切り取られた最高の瞬間」だけを見て、「あの人はいつもあんなに楽しそうなんだ」と感じてしまうことがあります。そして、自分の日常と比べて、「自分は全然ダメだ」「置いていかれている」と、根拠もなく落ち込んでしまう。これが、「楽しそう」投稿に心がざわつく大きな理由の一つなのです。
「見せ方」に振り回されないためのココロ術
では、SNSの「見せ方」に心をざわつかせないためには、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。
1. 「これは生活のごく一部だ」と意識してみる
SNSに投稿されているのは、あくまでその人の生活の「ほんの一部分」であり、「ベストシーンの切り取り」であることを常に頭の片隅に置いておきましょう。見えているものがその人の全てではない、という冷静な視点を持つことが大切です。
2. 「見せ方」のテクニックを知ってみる
「この写真、すごく映えてるな。どんな角度で撮ったんだろう」「このストーリー、音楽とエフェクトの効果で盛り上がってるな」のように、投稿の「見せ方」に使われているテクニックに少しだけ意識を向けてみるのも良いでしょう。まるで「編集の裏側」を見るような感覚です。その工夫を知ることで、投稿を感情的に受け止めるだけでなく、「なるほど、こうやって見せているんだな」と、少し冷静に、客観的に見ることができるようになります。
3. 自分の「楽しい」基準を大切にする
SNSで見る「楽しそう」は、あくまでその人にとっての「楽しい」や「幸せ」の表現です。それは、必ずしもあなたにとっての「楽しい」や「幸せ」とは限りません。豪華な食事や派手なイベントだけが「楽しい」わけではありませんよね。家でゆっくり過ごす時間、友達と他愛もない話で笑う時間、好きな音楽を聴く時間など、あなたが心から「楽しいな」「幸せだな」と感じる瞬間を大切にしてください。人の基準と比べるのではなく、自分自身の心の感覚に耳を澄ませることが、自分らしい心の状態を保つ鍵になります。
4. 自分が発信する時も「切り取り」を意識する
もしあなたがSNSに何かを投稿する時、「良く見せたいな」と思ったり、自然と「楽しかった部分」を選んで投稿したりするのは、多くの人が経験することです。それは悪いことではありません。大切なのは、自分が「生活の切り取り」を発信していることを自覚すること、そして他人の投稿もまた「切り取り」であると理解することです。自分が「盛った」投稿をしている後ろめたさを感じる必要はありませんし、人の「盛った」投稿を見て落ち込む必要もありません。お互いに「見せ方」があることを理解し合えれば、少し心が軽くなるかもしれません。
5. 物理的に距離を置く時間を作る
「楽しそう」投稿に限らず、SNSの情報量に疲れてしまった時は、意識的にスマホから離れる時間を作りましょう。数時間、あるいは一日だけでもSNSを見ない時間を作ることで、画面の中の世界から一旦離れ、自分の心の状態をリセットすることができます。友達とのリアルな会話や、趣味に没頭するなど、デジタルではない時間も大切にしてください。
まとめ
SNSで見かける「楽しそう」な投稿は、その人の生活の「ベストシーンの切り取り」であり、「見せ方」の工夫がたくさん詰まっています。そのカラクリを知ることで、必要以上に心をざわつかせたり、自分を否定的に捉えたりすることを減らすことができます。
大切なのは、他の誰かが見せてくれる「楽しそう」な姿と、自分自身の現実を比べることではありません。あなたがどんな時に「楽しい」「幸せ」と感じるのか、その自分自身の心の声に耳を澄ませてみてください。
「スマホ時代のココロ術」は、SNSの「見せ方」に振り回されず、あなた自身のペースで、心穏やかにデジタルライフを楽しむためのヒントです。今日から少しずつ、意識してみてはいかがでしょうか。きっと、SNSを見る時間が少しずつ、もっと心地よいものになっていくはずです。