スマホ時代のココロ術

スマホを手放すと、なんだか落ち着かない? 「何もしない時間」を楽しむココロ術

Tags: スマホとの距離, デジタルウェルビーイング, 心の整え方, 自分時間, 手持ち無沙汰

スマホがすぐそばにないと、なんだかソワソワしたり、手持ち無沙汰になったりすることはありませんか?友達からのメッセージが来ていないか、SNSに何か新しい投稿がないか、つい気になってスマホに手が伸びてしまう。そんな経験は、決して特別なことではありません。

私たちの生活は、もうずっと前からスマホと切り離せないものになりました。朝起きてから夜眠るまで、いつでもどこでも、世界中の情報や友達との繋がりにアクセスできます。これはとても便利で素晴らしいことですが、一方で、スマホがない時間や「何もしない時間」に対して、少しばかり苦手意識を感じるようになってしまった人もいるかもしれません。

この記事では、なぜ私たちはスマホがないと落ち着かなくなってしまうのか、そして、そんな「何もしない時間」を自分にとって心地よい、大切な時間にするためのココロ術についてお話しします。

なぜ「何もしない時間」がちょっぴり不安なの?

スマホを手放した時に感じるソワソワや不安は、いくつかの理由が考えられます。

常に「何かある」状態に慣れてしまった

スマホを開けば、新しい情報、面白い動画、友達からの連絡など、常に何かしらの刺激があります。脳はこうした刺激に慣れてしまい、何も刺激がない状態、つまり「何もしない時間」を退屈だと感じやすくなることがあります。これは、ずっと賑やかな場所にいた人が、急に静かな場所に来ると落ち着かないのに似ています。

通知や反応がないことへの無意識の不安

通知が来ることで、誰かと繋がっている、自分は周りから気にかけてもらえている、といった感覚を得ていることがあります。スマホがない、あるいは通知が来ない時間が続くと、無意識のうちに「置いていかれているのでは」「忘れられているのでは」といった不安を感じてしまうことがあります。これは、デジタルな世界における承認欲求とも繋がっています。

スマホが「暇つぶし」の万能ツールになっている

ちょっとした待ち時間や移動時間、休憩時間など、「何もすることがないな」と感じた時に、無意識にスマホを開いてしまう習慣がついているかもしれません。スマホが「暇つぶし」の選択肢としてあまりにも手軽で強力なため、それがない状況でどう時間を過ごせば良いのか分からなくなってしまうことがあります。

「何もしない時間」を心地よく過ごすためのココロ術

「何もしない時間」にソワソワしてしまうのは自然なことですが、その時間を少しでも心地よく過ごせるようになるためのヒントをいくつかご紹介します。完璧を目指すのではなく、自分にできそうなことから、少しずつ試してみてください。

1. 「あ、今スマホ触ろうとしたな」に気づくことから

まずは、無意識のうちにスマホに手を伸ばしている自分の癖に気づくことから始めてみましょう。「あ、今、特に用事はないけどスマホ見そうになったな」と意識するだけでも、大きな一歩です。自分の行動パターンに気づくことが、変化への第一歩になります。

2. 小さな「空白の時間」を意図的に作ってみる

例えば、食事中はスマホを別の部屋に置く、お風呂に入る時は脱衣所に持ち込まない、寝る1時間前からは触らない、など、短時間でも良いので意図的にスマホと離れる時間を作ってみてください。最初はその「空白」が不安に感じるかもしれませんが、慣れてくると、その時間が少しずつ心地よく感じられるようになります。

3. 「何もしない」を「観察する」時間に変えてみる

「何もしない」というと、ただボーッとしているだけのように聞こえるかもしれませんが、その時間を「周りを観察する」時間に変えてみるのはどうでしょうか。窓の外を眺める、部屋の中の音に耳を澄ませる、自分の呼吸に意識を向けてみるなど、五感を使って「今、この瞬間」に意識を集中させてみます。これは短い時間でも、心を落ち着かせる効果があります。

4. 手持ち無沙汰を埋める「スマホ以外の選択肢」を用意しておく

スマホがない時間の手持ち無沙汰を埋めるために、他の選択肢を用意しておくと安心です。例えば、好きな音楽をただ聴く、簡単な本や雑誌をめくる、紙に落書きをする、短いストレッチをする、温かい飲み物をゆっくり飲むなど、スマホ以外で気分転換できることをいくつかリストアップしておくと良いでしょう。必ずしも何かをする必要はありませんが、「何かできることがある」と思うだけで心が軽くなることがあります。

5. 誰かと「スマホなし」で話してみる

友達や家族といる時に、少しの時間でも良いので、お互いにスマホをバッグやポケットにしまって、目の前の会話に集中してみる時間を持ってみましょう。デジタルなやり取りとは違う、リアルな声や表情でのコミュニケーションは、心をほぐしてくれることがあります。

焦らないで、自分に優しく

スマホがないと落ち着かない、手持ち無沙汰になる、というのは、多くの人が感じていることです。これはあなたが特別なわけでも、弱いわけでもありません。私たちの生活環境が大きく変わった影響なのです。

大切なのは、そんな自分を責めるのではなく、「あ、今自分はスマホに慣れすぎているのかもしれないな」「少しソワソワするけど、これでも大丈夫なんだな」と、今の自分の心の状態を受け止めることです。

「何もしない時間」は、決して無駄な時間ではありません。それは、情報や刺激から離れて、自分の心や体に意識を向け、ゆっくりと呼吸する時間です。少しずつでも、そんな時間を自分にプレゼントできるようになると、デジタルな生活の中でも、もっと自分のペースで心穏やかに過ごせるようになるはずです。

この記事でご紹介したヒントが、あなたの「何もしない時間」を、ちょっぴり心地よくするお手伝いになれば嬉しいです。